免役バランスを整える方法
前回、前々回で「ストレスをため続けるとアトピーを発症する可能性があり、一度発症するとストレスを減らしても必ずしもアトピーが改善するわけではない」というお話をいたしました。
それはリンパ球の中のTh1細胞とTh2細胞の働きのバランス、つまり、簡単にいうと免疫機能のバランスが崩れてしまっている状態だからです。
アトピー対策はスキンケアが大切なことはもちろんですが、生活習慣を改善し、免疫機能のバランスを整えることも有効な対策になります。
免疫バランスを整える方法としては、交感神経と副交感神経を意識して刺激することがあげられます。
人間は朝起きて仕事をしたり運動をしたりしているときは、交感神経が優位に働いています。そして夜間の睡眠中は副交感神経が優位になります。
ところが、残業や不規則な生活でストレスをため続けた状態では、1日中交感神経が優位な状態が続いてしまいます。
このような方は、次のような副交感神経を優位にする方法を意識することをおすすめします。
腸に刺激を与える食べ物を食べる
消化にかかわる働きは、すべて副交感神経がつかさどっています。そこで、玄米・野菜・きのこ・小魚などの腸管を刺激する食べ物を積極的に食べるようにします。
寝る前にぬるめのお風呂に長くつかる
ぬるめのお風呂に長くつかることで体の芯が暖まり、副交感神経が刺激されます。あまりお湯を熱くすると体の芯まで暖まらず、逆に刺激で交感神経が優位になるので注意してください。
深呼吸をする
ゆっくり息を吐くことは副交感神経を刺激します。
夜寝るときにアロマオイルで芳香浴をする
臭覚は自律神経系をつかさどる視床下部に直接刺激を与え、ほかの感覚と違って理性でコントロールすることができません。
これをうまく利用して、鎮静作用のあると一般的に言われている真正ラベンダーやクラリセージなどのアロマオイルで芳香浴をし、副交感神経を刺激します。
一方、一日中家の中にいて緊張することが少ない生活を送っている方は、逆に1日中副交感神経が優位な状態が続いています。
このような場合、以下のような交感神経を刺激する方法が有効です。
昼間、毎日適度な運動を心がける
日中、適度な運動をして体を動かすことで、交感神経が優位になります。
紫外線を浴びる
紫外線を浴びると交感神経が刺激されて、多すぎるリンパ球を減らす効果があります。
日焼けするほど浴びてしまうと皮膚の炎症が強くなる場合もありますので、その場合は曇りの日や朝方などにちょっと散歩する程度でも良いかと思います。
それから両方のケースに有効なのが、朝起きる時間と夜寝る時間を規則正しくすることです。これらの時間が2時間以上ずれないように毎日規則正しい生活を送ることで、交感神経・副交感神経のバランスが取れるようになるとのことです。
参考文献:
安保徹(2004)『自律神経と免疫の法則』三和書籍、234p
安保徹(2003)『安保徹の免疫学入門』宝島社、94p