汗アレルギーと金属アレルギーの関係
汗をかくとアトピーの症状が悪化することがありませんか。
その大きな理由は、アトピーの方の多くが自分の汗にアレルギーを起こしてしまうからです。
ある実験では「約80%のアトピー患者が自分の汗にアレルギーを起こした」とあります。
汗は自分の体から出るものなのに、それにアレルギーを起こすのは、なんだかおかしな感じがするかもしれません。
しかし、実際に汗の中に含まれるタンパク質が抗原になって、アレルギーを起こしてしまうのです。
対策としては「汗をかいたらできるだけ早くふき取るか、シャワーを浴びてアレルゲンとなる汗を肌から除去する」ことが、最良の方法になります。
ところで、汗に含まれるアレルゲンには、タンパク質以外にもう1種類あるのはご存知でしょうか。
汗アレルギーを起こすアトピー患者の汗からは、通常の人の汗よりも「ニッケル」という金属が多く含まれている場合が多い、という研究報告があります。
ニッケルというと、ニッケル水素電池などにも使われる銀白色の金属です。なんでそんなものが汗に含まれているのでしょうか?
それは、食品の中にニッケルを多く含むものがあるからです。
蕎麦・ココナッツ・チョコレート・小豆・大豆・落花生・カシューナッツ・タケノコ・なめこ・青海苔・抹茶・コーヒー・ココア・麦茶・山椒
これらの食品の摂取を抑えることで、汗の中のアレルゲンの量を減らすことが期待できます。
汗をかくとアトピーがひどくなる方は、一度ニッケルによる金属アレルギーを疑ってみることも重要だと思います。
参考文献:
尾藤利憲ほか「アトピー性皮膚炎における汗アレルギーと金属の関与について」『Journal of Environmental Dermatology and Cutaneous Allergology』、4(4)、196-201,2010年